Uncategorized
PR

利用者さんの家に入るとき、私が必ず確認すること

玄関の自転車
イタドリ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

はじめに

訪問看護師の仕事は、病院のナースステーションではなく、利用者さんの「生活の場」に入ることから始まります。そこは私たちのホームグラウンドではなく、利用者さんとご家族の大切な空間です。

だからこそ、玄関のチャイムを押す前から、私の「確認モード」はすでにスタートしています。今回は、私が訪問のたびに必ずチェックしていることをお伝えします。
ベテランの看護師には当たり前のことかもしれませんが、これから訪問看護を目指す方や、看護学生さんに少しでも参考になれば嬉しいです。

1. 玄関に入る前|外から読める「生活のサイン」

ドアを開ける前から、観察はすでに始まっています。

郵便受けに郵便物がたまっていないか。
前回の訪問からずっとそのままになっているようであれば、外出できていない・体調が優れないサインかもしれません。

カーテンの開き具合。
いつも午前中には開いているはずのカーテンが閉まっていたら、「今日はいつもと違う」と感じます。小さなことですが、こういった変化に気づけるのは、継続して訪問しているからこそです。

玄関周りの様子。
靴が乱雑になっていないか、ゴミが出しっぱなしになっていないか。生活の余裕がなくなってくると、こういった部分に最初に表れることがあります。

2. 玄関に入ったとき|においと音に敏感になる

扉を開けた瞬間、私が最初に使うのは「鼻」と「耳」です。

においの変化。
正直に書きますが、においは健康状態を如実に反映します。いつもと違う体臭、食べ物が傷んだにおい、失禁のにおい。「何かいつもと違う」と感じたら、必ず丁寧に確認します。においに気づくのは失礼なことではなく、看護師として大切な観察のひとつです。

音の有無。
テレビの音、ラジオの音、台所から聞こえる気配。「生活している音」がするかどうかで、その日の利用者さんの状態がある程度わかります。静かすぎるときほど、私は少し緊張して中に進みます。

3. 利用者さんの顔を見たとき|まず全体を眺める

「こんにちは」と顔を合わせた瞬間、私はまず医療的な処置より先に、その人全体をさっと眺めます。

  • 顔色はいつもと比べてどうか
  • 表情に力があるか、なんとなく覇気がないか
  • 姿勢・座り方・立ち方に変化はないか
  • 声のトーン・話すスピードはいつも通りか

数値やデータを測る前、天気の話など雑談しながら「今日のこの人」を感じ取る時間を意識的に作るようにしています。長く通っているからこそ、「なんかいつもと違う」という感覚がとても大切な情報になります。

4. 室内の環境|安全に生活できているか

利用者さんとお話しながら、同時に室内も確認しています。

転倒リスクになるものはないか。
コードが床を横切っていないか、カーペットの端がめくれていないか、スリッパが脱げやすいものになっていないか。転倒はあっという間に起こります。

薬の管理ができているか。
薬が飲み残されていないか、飲み間違いの形跡はないか。さりげなく薬の置き場所を確認するようにしています。

食事・水分がとれているか。
台所やテーブルの様子から、食事ができているかをさりげなく確認します。「今日は何を食べましたか?」と直接聞くこともありますが、冷蔵庫の中や食器の様子でわかることも多いです。

5. ご家族の様子|介護する側も観察する

家族と話す

利用者さんだけでなく、介護をしているご家族の状態も大切な確認事項です。

介護疲れは、表情や言葉の端々ににじみ出てきます。「最近どうですか?」というひと言に対する反応で、ご家族が限界に近づいていないかを感じ取るようにしています。

介護者が倒れてしまっては、在宅でのケアは続けられません。利用者さんを支えるためには、ご家族を支えることも訪問看護師の大切な役割だと、私はずっと思っています。

おわりに

訪問看護師がドアを開けてから処置を始めるまでの時間は、ほんの数分かもしれません。でもその数分の間に、私たちはたくさんのことを見て、感じて、判断しています。

「気にしすぎ」と言われることもある私の性格が、実はこの仕事ではとても役に立っていると感じています。繊細であることは、訪問看護の現場では決して弱さではありません。

小さな変化を見逃さないこと。それが、在宅で暮らす利用者さんの安全と安心を守ることにつながっていると、今日も訪問先の玄関の前で、静かに気持ちを整えています。

訪問看護の窓から|HSPナースの日々 - にほんブログ村
記事URLをコピーしました