訪問看護
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HSP、繊細さんともいわれる気質の私が医療職で生き残るために身につけたこと

公園 マインドフルネス
イタドリ
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私が医療職で生き残るために身につけたことは、「鈍感になること」ではありませんでした。医療の現場は刺激に満ちています。急変、死、家族の悲しみ、職場の緊張感。繊細な気質を持つ人間にとって、それらはただ「大変な仕事」というだけでなく、全身で受け取ってしまうものです。この記事では、私が医療職として働き続けるために身につけてきたことを、正直に書いていきます。

自画像自転車

医療現場が繊細な人にとってきつい理由

繊細な人、いわゆるHSP(Highly Sensitive Person)は、情報の処理が深く丁寧です。他者の感情の変化に気づきやすく、場の空気を読む力があります。これは医療職としての強みになる一方、消耗のスピードも速くなります。

特に医療現場では、次のような場面が繊細な人には重くのしかかります。
・患者さんやご家族の痛みや悲しみを、ただ受け取るだけでなく、
 自分のことのように感じてしまう。
・チームの人間関係の緊張感を、誰よりも早く察知して、ひとりで抱え込んでしまう。
・予定外の出来事や急変が重なる日は、業務が終わっても頭が切り替わらない。

こういった経験が積み重なると、「自分は医療に向いていないのかもしれない」という気持ちになっていきます。でも、それは向いていないのではなく、繊細さへの対処法をまだ知らないだけだと、今の私は思っています。

身につけたこと① 感情に「距離」を置く技術

穏やかな自然の中で心を落ち着かせるイメージ

繊細な人が医療現場で最初にぶつかる壁は、感情の巻き込まれです。利用者さんの悲しみに共感することは大切です。でも、共感と感情の同化は違います。共感は「あなたの気持ちがわかります」という橋を渡すことで、感情の同化は「あなたの気持ちが私の気持ちになってしまう」状態です。

私が意識するようにしたのは、「今、私は〇〇さんの感情を受け取っている」と頭の中で実況することです。感情が流れ込んでくる瞬間に、少しだけ観察者の視点を持つ。これだけで、感情に飲み込まれるスピードが変わりました。

完全には無理です。今でも引きずることはあります。でも、距離の置き方を知っているかどうかで、帰宅後の消耗がかなり違います。

身につけたこと② 「切り替えの儀式」をつくる

朝のルーティン・切り替えのイメージ

仕事が終わったあと、気持ちをどう切り替えるかは、繊細な人にとって特に重要です。

仕事が終わっても頭の中で反芻が続きやすい、ということはありませんか。「あの対応はよかったのか」「あのときの家族の表情が気になる」こういった思考は夜になっても続き、睡眠の質を下げていきます。

私が続けているのは、仕事の終わりに「切り替えの動作」を入れることです。外に出たら、深呼吸を3回する。帰宅したら真っ先にシャワーを浴びながら、「今日の仕事はここまで」「今、洗い流した」「もう忘れた」と言う。自宅用のリラックスできる服に着替える。

内容は何でもかまいません。大事なのは、毎回同じ動作を繰り返すことです。繰り返すことで、その動作が「仕事モードの終わり」を知らせるスイッチになっていきます。

身につけたこと③ 自分の「消耗パターン」を知る

ノートに記録するイメージ

繊細な人の消耗は、一見バラバラに見えて、実はパターンがあります。
私の場合、複数の人間関係が絡み合う場面と、予定外のことが重なる日が特にきつい。それがわかってからは、そういう日の翌日は意識的に予定を入れないようにしました。

消耗パターンを知るためにおすすめなのは、簡単な記録をつけることです。「今日は何がしんどかったか」を一行だけ書く。1週間続けると、自分がどんな場面で消耗するかが見えてきます。

知ることが対策の出発点です。漠然と「今日も疲れた」で終わらせず、原因を特定することが、長く働き続けるための基本になります。

身につけたこと④ 「助けを求める」ことを技術として使う

チームで支え合うイメージ

繊細な人は、他者への気遣いが自然にできる反面、自分が助けを求めることが苦手な傾向があります。「迷惑をかけたくない」「これくらい自分でやらなければ」という思いが強く働きます。

でも医療現場では、助けを求めることは弱さではなく、チームとして機能するための技術です。

私が意識するようにしたのは、「報告・連絡・相談」を、義務としてではなく、自分を守るための手段として使うことです。困っていることを早めに言葉にする。一人で抱えない。これは周りへの配慮でもあり、自分のエネルギーを守ることでもあります。

身につけたこと⑤ 繊細さを「強み」として使える場所を知る

緑豊かな森のイメージ

繊細さは、使う場所を間違えると消耗の原因になります。でも、使い方を知れば、医療職としての確かな強みになります。
利用者さんのわずかな変化に気づく力。家族の言葉の裏にある不安を読み取る力。チームの空気が悪くなりかけたときに察知する力。これらはすべて、繊細な気質から来ています。

大切なのは、繊細さを出し切る場面と、意識的に抑える場面を使い分けることです。全開にしていたら消耗します。でも、完全に蓋をしていたら強みが消えます。状況を見て、自分でコントロールできるようになることが、長く働き続けるための核心だと思っています。

おわりに

温かいケアのイメージ

医療職で生き残るために必要なのは、繊細さをなくすことではありません。繊細さと一緒に働く方法を、少しずつ身につけていくことです。

感情に距離を置く。切り替えの儀式をつくる。消耗パターンを知る。助けを求める。強みとして使える場所を知る。

どれも小さなことです。でも、積み重なれば、繊細な自分が医療の現場で働き続けるための、確かな土台になります。消耗しすぎる前に、自分の気質と一度向き合ってみてください。繊細さは、正しく使えば医療職の現場で、誰よりも深く人に寄り添える力になります。

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