訪問看護の冬の防寒対策|凍結・積雪の日に転ばないための装備と工夫
冬の訪問は、寒さだけがつらいわけではありません。かじかんだ手が思うように動かない。路面が凍っているのか分からなくて、ひやりとする。そんな場面が増える季節です。
私がいちばん気をつかうのは「転ばないこと」です。自転車で回っていると、凍った路面や雪の日の足元が、そのまま事故につながります。
この記事では、私が冬の訪問で実際に使っている装備と、凍結や積雪の日にしている工夫をまとめました。
- 訪問看護の冬で、いちばん気をつかうのは転倒です
- 上着はショート丈のダウンジャケットにしています
- インナーはヒートテック、手袋は薄手のあたたかいもの
- カイロは背中と丹田のあたり、2か所に貼っています
- 冬の乾燥対策|ハンドクリームは無香のもの、のど飴と温かい飲み物も
- 日が暮れるのが早いので、小型のライトと反射材を使っています
- 黒く見える路面が、濡れているのか凍っているのか分かりません
- 凍りやすい場所は、いつものルートで覚えておきます
- 前日に天気を確認して、当日は雨雲レーダーを見ながら動きます
- 雪が降ったら、自転車はあきらめて公共交通機関にします
- バスは遅れます|時間変更のお願いは、雪が降る時期になってから伝えます
- 積雪の日の足元と荷物|長靴に滑り止め、山用のストック
- 冬の感染対策|感染症が出たお宅は、最後に回ります
- 入浴介助のときは、脱衣所と浴室の温度を近づけます
- 居室が寒いお宅もあります|「何を言うか」より「誰が言うか」
- まとめ|冬の訪問は、当日ではなく前日までの準備で決まります
訪問看護の冬で、いちばん気をつかうのは転倒です
冬の訪問でこわいのは、凍結と転倒です。自転車で走っているときの路面と、雪の日に歩くときの足元。どちらも、見た目だけでは危ないかどうかが分かりません。
だから冬の装備は、「あたたかいか」だけでなく「手が動くか」「転ばないか」で選ぶようになりました。
上着はショート丈のダウンジャケットにしています
冬の上着は、ショート丈のダウンジャケットを着ています。
丈の長いダウンだと、お宅に持って入るときにちょっとかさばります。訪問先では外で上着を脱いで持ち込むので、この差が意外と大きいのです。
インナーはヒートテック、手袋は薄手のあたたかいもの
インナーはヒートテックです。
手袋は、薄手であたたかいものを選んでいます。厚い手袋は、手の操作性の妨げになるからです。自転車にハンドルカバーをつけているので、手袋そのものは薄手で足ります。
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ハンドルカバーについては、自転車の記事にくわしく書いています。

カイロは背中と丹田のあたり、2か所に貼っています
カイロは、背中と丹田のあたりの2か所に貼ります。この2か所になったのには、理由があります。
- 背中だけだと、手先を温められない
- お腹だけだと、なんとなく寒い
冬の訪問では、やはり手はかじかみます。かじかんだときは、お腹に貼ったカイロで手先を温めています。
冬の乾燥対策|ハンドクリームは無香のもの、のど飴と温かい飲み物も

ハンドクリームは、無印良品の小さな詰め替え容器に、いつも使っているものを入れて持ち歩いています。
ハンドクリームによっては香りがとても強いものがあるので、仕事で使うのは無香のものと決めています。
空気が乾燥してのどが痛みそうなとき用に、のど飴も持っています。温かい飲み物は、保温ポットに入れて必ず持つようにしています。
ポットは毎日洗うので、部品の少ないものが洗いやすくて好みです。パッキンが本体と一体になっているタイプだと、外して洗うものが減ります。
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日が暮れるのが早いので、小型のライトと反射材を使っています
キーホルダーに、小さいサイズのライトをつけています。
スマホのライトも使えますが、狙った場所を明るくするなら、ライトのほうが見やすいです。
自転車のヘルメットには、反射材を貼っています。
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黒く見える路面が、濡れているのか凍っているのか分かりません

冬の朝、地面が黒く見えることがあります。濡れているだけなのか、凍っているのか、見ただけでは判断がつきません。
できれば避けて通ります。避けられないときは、慎重に通ります。
- スピードをぎりぎりまで落とす
- 黒くなっている場所の上では、方向転換をしない
- 黒くなっている場所の上では、ブレーキをかけない
凍っているかどうかを見分けようとするよりも、「分からないものとして扱う」ほうが、結果的に安全でした。
凍りやすい場所は、いつものルートで覚えておきます

いつも通る道であれば、凍りやすい場所を把握しておきます。
霜が降りたような日は、日陰が凍っていることが多いです。そういう日は、日光の当たる道路にルートを変えたこともあります。
前日に天気を確認して、当日は雨雲レーダーを見ながら動きます
天気の確認は、前日から必ずします。
みぞれや雪の予報が出ていれば、当日は雨雲レーダーを見ながら、あと何分で降り始めるかを確認しつつ動きます。
- みぞれで道路状況が悪くなりそうなら、早めにバスに切り替える
- ぎりぎり間に合いそうなら、予定の時間を少しずつ前にずらして、早めに仕事を終わらせる
- 大雪警報が出ていれば、前日のうちに予定を組み直して、訪問日をずらしていただくこともある
訪問日をずらしていただくのは、状態が安定している方で、ほかの予定とぶつかっていない場合だけです。ここは慎重に判断しています。
雪が降ったら、自転車はあきらめて公共交通機関にします

雪が降ると自転車は使えないので、公共交通機関を使います。
雪の予報が出たら、すぐにバス停と時刻表を確認します。前々日、遅くとも前日には調べておきます。
当日になってから調べようとすると、交通機関のサイトにつながらないことが多いからです。
バスは遅れます|時間変更のお願いは、雪が降る時期になってから伝えます
ルートを調べてバス停を把握し、時刻表を控えておいても、バスは遅延します。
そこで、どれくらい遅れそうかを利用者さんに電話しておきます。あらかじめきちんと電話をすれば、時間の変更にはだいたい応じていただけます。台風やゲリラ豪雨のときも同じです。
雪が降る時期になったら、あらかじめこうお伝えしています。「雪のときはバスなどを使うので、時間の変更をお願いするかもしれません。」
伝えるタイミングは、早すぎても忘れられてしまいます。冬になって、朝のニュースでよその地域の降雪が話題に出た日に話すと、利用者さんの記憶にも残りやすいと感じています。自分ごとになるからだと思います。
積雪の日の足元と荷物|長靴に滑り止め、山用のストック
積雪の日は公共交通機関になるので、荷物は限界まで減らします。
手袋も、防風性能のあるものにします。そして山用のストックを持って、長靴に滑り止めをつけて歩きます。
翌日、だいたい雪がとけて長靴でなくてもよくなったら、いつもの靴に滑り止めをつけかえます。
靴用の滑り止めについては、天候対策グッズの記事にも書いています。

冬の感染対策|感染症が出たお宅は、最後に回ります
感染症が出たお宅は、その日の最後に訪問するルールになっています。
感染症が出ていなくても、職員はマスクを必ず使いますし、手指消毒のアルコールも使います。
このあたりは、職場によってルールが決まっていることが多いと思います。就職や転職のときに確認しておくと安心です。
入浴介助のときは、脱衣所と浴室の温度を近づけます
入浴介助があるときは、お風呂と脱衣所の温度が同じくらいになるように、小型の暖房を使います。
広いお宅の場合は、暖房器具がほぼ置いてあります。ワンルームであれば、ドアを開けてしばらく待てば、同じような室温になります。
居室が寒いお宅もあります|「何を言うか」より「誰が言うか」
居室そのものが寒いお宅も、実際にはあります。木造の一軒家だと、寒いことがあるように思います。
お伝えするときは、その方の内科疾患に合わせた内容にします。心臓なのか、呼吸器なのか。そのうえで、夜間や早朝に室温が下がることの危険性と合わせてお話しします。
ただ、こういうことは私ひとりが言っても、行動が変わるところまではなかなか届きません。
そこで、ケアマネジャーさんやほかの関係者からも声をかけていただけるように働きかけます。複数の人が言えば、誰かの言葉は受け取ってもらえるかもしれないからです。
何を言うかではなく、誰が言うかが大事、ということがあります。私の話は聞いてもらえなくてもかまいません。最終的に、誰かの言葉がその方に届けばいいと思っています。
そして、そういう問題があること自体を関係者と共有しておくことも大事です。利用者さんのためでもありますし、自分の精神衛生のためでもあります。
ケアマネジャーさんにこの件で電話した、ということも看護記録に残しています。
まとめ|冬の訪問は、当日ではなく前日までの準備で決まります
冬の訪問で気をつかうのは、走っている時間だけではありませんでした。前の日に天気を見て、バス停を調べて、利用者さんにひと言お伝えしておく。冬の安全は、その積み重ねでできています。
もし今日ひとつだけ始めるなら、いつも通る道で凍りやすい場所を思い出してみてください。当日の判断だけに頼らないことが、いちばんの備えになります。


