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頭の中のぐるぐるが止まらない夜に。1日10分の「書く瞑想」ジャーナリング

ノートの上に置かれた万年筆
イタドリ
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お風呂に入っていても、布団に入っても、今日の患者さんのことが頭から離れない。「あのとき、もっと違う声かけができたんじゃないかな。」
そんなふうに、頭の中で同じ場面がぐるぐる回り続ける夜はありませんか。

考えるのをやめたいのに、やめられない。
私も看護師として働くなかで、何度もそんな夜を過ごしてきました。

この記事では、ノートとペンだけでできるセルフケア「ジャーナリング」を紹介します。書き方のルールは3つだけ。研究で効果が確かめられている方法です。

ジャーナリングは日記ではなく「頭の中のゴミ出し」です

ノートの上に置かれた万年筆

ジャーナリングとは、頭に浮かんだことを、そのまま紙に書き出す方法です。「書く瞑想」とも呼ばれています。「日記みたいなもの?」と思うかもしれませんが、別物です。

日記って、めんどくさいですよね。ちゃんとした文章で書かなきゃと思うし、毎日続けなきゃという圧もかかります。
ジャーナリングに「ちゃんと」はいりません。文章になっていなくても、誤字だらけでも大丈夫。毎日続けなくても、読み返さなくてもいいんです。

イメージは「頭の中のゴミ出し」です。たまったものを袋に入れて出したら、それで役目はおしまい。だから日記が続かなかった方にこそ、向いています。

研究でも「不安と疲労感が下がった」と報告されています

机の上に開かれた本とノート

「書くだけで本当に変わるの?」と思いますよね。心理学の研究で、1日20分のジャーナリングを10日間続けたところ、「混乱」「疲労感」「緊張・不安」の得点が下がったという報告があります※。

頭の中でぐるぐる回っている考えは、消そうとするほど戻ってきます。紙に書き出すと、その考えを少し離れたところから眺められるようになります。
「あ、私、こんなことを考えていたんだ」。そう気づいた瞬間、ぐるぐるとの間に少しすき間ができる。これがジャーナリングの効く仕組みだと考えられています。

※出典:谷本拓郎「ジャーナリング(書く瞑想)の心理的効果に関する一考察」

私が「書く」ようになった、忘れられない場面の話

夜の街に浮かぶ月

少しだけ、私自身の話をさせてください。以前、訪問看護で一人でお宅にうかがったときのことです。利用者さんの突然の行動に、私は思わず身構えました。
それでも慌てずに声をかけて、その場は穏やかに対話をして終えることができました。
あとから思えば、あの行動には幻聴などの症状が影響していたのかもしれません。

そのしばらくあと、その方は自ら命を絶ちました。

「あの場面での私の声かけは、あれでよかったのかな」「そのあとの対応で、もっと他にできることがあったんじゃないのかな。」
何年たっても、ふとした夜に考えます。この問いに答えは出ません。だから頭の中に置いたままにすると、いつまでもぐるぐると回り続けてしまうんです。

私にとってジャーナリングは、この気持ちを消す方法ではありません。行き場のない問いを、頭の外にいったん降ろして置いておける「置き場所」です。書いても、忘れられるわけではないんです。
それでも「今日はここまで考えた」と区切りをつけて、眠れるようになりました。

人に尽くしすぎる人ほど、書くことが効きます

温かい飲み物を両手で包むように持つ人

看護の世界では、こんな報告もあります。家族の介護に自分のすべてを注いで、心が折れてしまった方が、治療のひとつとして「書くこと」に取り組みました。
口では言えなかった気持ちが、文章にならスラスラ出てきたそうです。そして書き続けるうちに、ご本人がこう気づきます。「母は母、私は私。その境界線が、私は引けていなかった」

そして書き続けるうちに、ご本人がこう気づきます。「母は母、私は私。その境界線が、私は引けていなかった」

人の気持ちを受け取りすぎる人、頼まれると断れない人ほど、自分の気持ちは後回しになりがちです。書くことは、後回しにしてきた自分の気持ちに順番を回してあげる時間になります。

共感疲労がたまりやすい方には、この「自分に順番を回す」感覚がとても大切です。共感疲労のセルフケアについては、こちらの記事で詳しく書いています。

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今夜からできる、3つだけのルール

開いたノートとペン

用意するのは、ノートとペンだけです。ルールは3つだけにしましょう。

①時間を決める。まずは5〜10分でOK。タイマーをセットします。

②手を止めない。浮かんだことを、そのまま書き続けます。

③誰にも見せない。読み返さなくてもかまいません。

「何を書けばいいかわからない」ときは、テーマを1つ決めると書きやすくなります。たとえば「今日、いちばん心が動いた場面」「いま、体のどこが疲れている?」「本当は言いたかったひとこと」。この3つは書きやすいテーマです。

書き終わったノートは、閉じてしまってかまいません。「出す」ことに意味があるからです。つらさが何日も続くときや、眠れない日が重なるときは、ひとりで抱えずに専門家や職場の相談窓口を頼ってくださいね。

まとめ:書いた分だけ、頭の中に空きができます

テーブルの上の白紙のノート

ぐるぐる考えてしまうのは、あなたが真剣に患者さんや利用者さんと向き合ってきた証拠です。だから、考えてしまう自分を責めなくていいんです。

今夜、寝る前の5分だけ。ノートに「今日いちばん心が動いた場面」を書いてみてください。書いた分だけ、頭の中に少し空きができますよ。

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ABOUT ME
イタドリ
イタドリ
現役訪問看護師|HSP当事者
看護師になって30年以上経ちました。
僻地の有床診療所、地域の中規模病院、大学病院を経て、訪問看護は20年以上になりました。
某大学では学外講師を務めています。
やや敏感な気質を持ちながら、
それでも現場で積み上げてきた経験を活かして、訪問看護の実践知や役立つ情報を発信していきます。
窓の外を眺めるように、在宅ケアとHSPという生き方をひそかに綴るブログです。
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