訪問看護師の持ち物リスト|バッグの中身と忘れ物をしない工夫
訪問看護では、いったんステーションから出発してしまうと簡単に取りに戻ることができません。忘れ物をしない工夫が必要です。
・出発してから忘れ物に気がついた
・さっきの訪問先ではあったものが、今使おうとしたらみつからない
・いつ紛失したのかわからない。
今日紛失したのか、さっきの訪問先に置いてきてしまったのか思い出せず途方に暮れる、
ということは皆経験することです。
訪問看護では外出中に紛失したり、利用者さん宅に置き忘れたりすることが重大なインシデントになりかねません。これまでの訪問看護の日々の中で、さまざまな試行錯誤を繰り返してきました。この記事では、訪問看護の持ち物と紛失・置き忘れを防ぐための工夫を記載しています。
訪問看護の持ち物リスト【一覧】
まずは、私が実際に訪問バッグに入れている物を一覧にしました。バッグの選び方や、それぞれをどこに入れているかという収納の工夫は、このあとの章で順番に説明していきます。
バイタル測定に使う物
- 血圧計(予備の電池も)
- 聴診器(薄いポリエステルの巾着袋に入れる)
- 体温計
- パルスオキシメーター
- ペンライト(瞳孔計つき)
- 腕時計(秒針つき。デジタルならアナログ秒針の画面を設定しておく)
記録・書類に使う物
- 端末(看護記録の入力用・仕事用スマホ)
- クリアファイル(利用者さんごとに分ける)
- 手帳とフリクションペン(手帳専用)
- 名刺入れ
文房具
- ボールペン 黒 1本(書類記載時に使用)
- 油性ペン 黒 1本
- ペン付きシャチハタ 1本
- 訂正印
- はさみ(小さすぎると使いにくい)
- メジャー(傷の大きさや腹囲を測る)
衛生材料・感染対策
- 手指用アルコールスプレー(ワンアクションで取れるポケットに)
- アルコール綿の予備
- ディスポガウン・スリッパ(状況によって変更)
そのほか持ち歩いている物
- 財布
- 折りたたみ傘
- ペットボトルや温冷ポット
- ヘッドライト(単3か単4電池1個のもの)
- 予備の電池(ペンライト・血圧計用)
- 透明のファスナー付きプラスチックバッグ(使用頻度の少ない物をまとめる)
- バッグインバッグ
スマホのアプリで済ませている物
- 地図アプリ(初回訪問はストリートビューで予習しておく)
- 電卓アプリ(ミス防止のため暗算はしない)
何を持つかは個人の裁量によるところが大きいので、この一覧はあくまで一例です。大事なのは数を増やすことではなく、目で見て把握できる数にしぼって、定位置を決めておくことだと感じています。
バッグはリュックかファスナー付きカバン


形について
リュック 開口部が巾着のように絞るタイプは作りが柔らかいので、
利用者さんにお渡しする用紙がしわになりやすいです。
A4ファイルをしわにしない形が必要です。
横型のバッグ 開口部にファスナーのあるものが良いです。
ボタンで留めるタイプは移動中に中身を落とす可能性があります。
必要な機能
サイズについて
A4ファイルが折れずに入るサイズであること、そして自転車の前カゴに収まること。前カゴは形やサイズがさまざまなので、事前に幅を測っておくと安心です。横幅の広いトートバッグは入らないことが多く、横向きに押し込むと中身の位置がバラバラになって、必要なものを探すのに手間取ることがあります。
素材と使いやすさも大切な条件です。訪問先でアルコール拭きをすることもあれば、丸洗いが必要になる場面もあります。撥水加工がされた丈夫な素材が理想で、革など手入れのデリケートなものは避けるのが無難です。外側は濃い色の方が、雨で濡れたときの色ムラが目立ちにくいです。内側は明るめの色だと、中のものを探すときに見やすくなります。
置いたときに自立するタイプだと、訪問先での動きがスムーズです。タブレットやPCを入れるクッション付きのものは、必須ではありませんが安心感があります。
訪問看護は自転車での移動も多いので、選ぶときは自転車の前カゴに収まるサイズかもチェックしておくと安心です。前カゴはママチャリなど一般車用(幅35〜45cm)と、スポーツバイク・コンパクト車用(幅30〜35cm)でサイズが違います。
リュック派にもファスナー付きカバン派にも、訪問看護で使いやすいタイプを挙げておきます。
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持ち物の収納は定位置を決める・数も決める
人間が一度に把握できる数は、以前は7±2と言われていましたが、2004年に4±1という論文が発表されています。持ち物はできるだけ少なく、目で見て把握できる数だけ、そして定位置を決めることが管理にエネルギーを使わずにすみます。

ポケットと仕切り
外側サイドポケット
折り畳み傘、温冷ポットやペットボトルを入れる
内ポケット
内ポケットも仕切り付きがよい。
シャチハタやペンがワンアクションで取り出せるほうがのぞましい
バッグに仕切りが少ない場合は、仕切りの多いインナーバッグの利用をおすすめします。
中身のボールペンなどを出し入れした時に形が崩れないくらいのしっかりした生地が使いやすいです。
小さいポーチに文房具やはさみなどをまとめて入れる方法もありますが、
かばんから出す→テーブルに置く→ポーチから出す→使う→ポーチにしまう→かばんに入れる
というふうに、手数が増えるので利用者さん宅に忘れ物をする確率が上がります。
かばんからワンアクションで取り出せるように定位置を決めると、
かばんから出す→使う→かばんに入れる
となるので、利用者さんの家に忘れ物をすることはほとんどなくなります。
血圧計はポーチが付属していることが多いですが、かさばる素材なので使用せず
A案「かばんのポケット1か所にまとめて血圧計・聴診器・体温計・サチュレーションを入れる」か、
B案「血圧計・聴診器・体温計・パルスオキシメーターをまとめて1つのポーチに入れる」ほうが忘れ物をしにくいです。
私は現在はA案大きい内ポケットにまとめていれてあります。
ポーチは作業中は必ず自分の目の前に置き、
体温計などをテーブルの上に置かないようにします。
置くと、そこでワンアクション増えるので置き忘れの可能性が出ます。
使用頻度の少ないもの(メジャーなど、担当している利用者さんによって変わるもの)は、透明のファスナー付きプラスチックバッグに入れておくとかばんの中で散らからず、必要な時にすぐ取り出せます。
つまり、道具をテーブルの上に置く機会を極力なくすのです。
置くときは目の前か、自分のわきにおいたバッグの上です。
必要な衛生材料などは、できれば前日にセットしておくほうがよいです。
当日の朝は「どうしても朝でなければ準備できないもの」のみ。
ステーションから持ち出すもので、他のスタッフと共用のケリーパッドや預かりの内服薬など。
バイタルセットや文房具などは自分のかばんの中に定位置を決めておきます。開口部のファスナーを開けたら(目視しなくても)手に取れるようにしています。
ステーションによっては、パルスオキシメーターなど共用になっていることがあります。共用のものは必要な時に定位置に戻っていなかったり、自分自身も戻すことを忘れることがあります。よほど高価なものでなければ、自分専用のものを購入するほうが、忘れ物をせずにすみます。
忘れ物をなくすコツ
- ワンアクションで手に取れる位置に
- 一度に使うものはまとめて置く
- 目の前からなくなったらすぐ気がつく数しか持たない
- ペン一本、体温計、パルスオキシメーターなどにも記名する。シャチハタで押した苗字を切り抜いてテープで貼ります。
こうしておくと、紛失した時に電話で「○○の名前を貼ったボールペン置き忘れていませんか?」と探してもらいやすいです。「青色のボールペン」などの表現ではまず出てきません。
仕分けはバッグインバッグを使うと、物の定位置が決まって出し入れがぐっと楽になります。
ちょっとしたコツですが、バッグの内側(インナー)は明るい色のほうが中の物が見つけやすく、探し物が減ります。
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普段は使わないけれど念のため持っておきたい物は、空気を抜けられるバッグに入れて圧縮し、かばんの底に入れておくと、かさばらず邪魔になりません。
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私のカバンの中身

何を持つかは個人の裁量によるところが大きいです。
内ポケット
ファスナー付きポケット 財布、予備の電池(ペンライト、血圧計)、訂正印
手前の大きいポケット
- 血圧計
- 体温計
- パルスオキシメーター
背面側のポケット 右
- ペンライト 瞳孔計つき
- 油性ペン黒 1本
- ボールペン黒 1本 書類記載時使用
- ペン付きシャチハタ 1本
- 名刺入れ
背面側のポケット 左
- 聴診器 他のものと一緒にすると引っかかって煩わしいので、薄いポリエステルの巾着袋に入れてあります。
バイタルセットポーチを作っていた時は聴診器も一緒に入れていました。
中央部分
- 端末(看護記録入力、仕事用スマホ)
- 手帳とフリクションペン 手帳専用
- クリアファイル
利用者さんにお渡しする書類を入れる、頻繁に使うアイテム。
書類を間違ってほかの利用者さんに渡してしまう、一枚出して渡そうとしたら、紙がくっついて2枚出てしまう、といったことが起こりえます。一つのクリアファイルに複数の利用者さんの書類を入れるのはミスのもとです。
クリアファイルは薄いものよりしっかりめのほうがストレスなく扱えます。

外ポケット
前面ポケット 手指用アルコールスプレー ワンアクションで取れるポケットに入れる
サイドポケット 折りたたみ傘、ペットボトルや温冷ポット
その他
透明なプラスチックバッグ
- メジャー 傷の大きさや腹囲を測る
- はさみ 小さすぎるものは使いにくい
- アルコール綿の予備
- ディスポガウン・スリッパや衛生材料は状況によって変更します。
地図アプリ 初回訪問時は、ストリートビューで予習しておくと迷わず到着できます。
スマホの電卓アプリ ミス防止のために暗算はしません。以前ソーラー式電卓を使っていたのですが、室内の電灯が暗いお宅が数件あったためスマホアプリに変更しました。
腕時計 ナースウォッチでも普通のものでもOK。
デジタル時計でも、アナログ秒針付き画面を設定しておくと呼吸回数など測る時に便利です。
ライト 暗い部屋で生活されている利用者さんがいらっしゃいます。
傷を確認したりするのに何となく暗い、電気は点いているけど自分の影が邪魔になる、ということがよくあります。手持ちタイプの小型ライトや瞳孔径つきペンライトでもいいのですが、手がふさがってしまうので、ヘッドライトが便利です。

額に装着するのが恥ずかしかったら、首にかけても使えます。
モンベルのヘッドライトは単3電池1個でよく、コンパクトで使いやすいです。
あるいはほかの商品でも、単4電池1個のもので充分でしょう。単3か単4のものが電池の在庫管理の容易さからもおすすめです。
使用している血圧計の電池タイプとそろえるのもいいですね。
冬の夕方、16時半には暗くなってしまう日があります。また、防災用品としてもヘッドライトはあると安心です。
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訪問看護の持ち物についてよくある質問
Q. 訪問看護のバッグは、リュックとカバンのどちらがいいですか?
どちらでも大丈夫です。リュックなら、開口部が巾着のように絞るタイプは作りが柔らかく、お渡しする用紙がしわになりやすいので、A4ファイルがしわにならない形を選びます。横型のバッグなら、開口部にファスナーがあるものが安心です。ボタンで留めるタイプは、移動中に中身を落とす可能性があります。
Q. バッグの大きさは、どれくらいが目安ですか?
A4ファイルが折れずに入って、自転車の前カゴに収まるサイズが目安です。前カゴはママチャリなど一般車用が幅35〜45cm、スポーツバイク・コンパクト車用が幅30〜35cmとサイズが違うので、事前に測っておくと安心です。
Q. 血圧計やパルスオキシメーターは、自分で用意したほうがいいですか?
ステーションによっては共用になっていることがありますが、必要なときに定位置へ戻っていなかったり、自分自身も戻すのを忘れたりします。よほど高価な物でなければ、自分専用を持つほうが忘れ物をせずにすみます。
Q. 持ち物を減らすコツはありますか?
目で見て把握できる数までしぼり、それぞれの定位置を決めます。普段は使わないけれど念のため持っておきたい物は、空気を抜けるバッグに入れて圧縮し、かばんの底に入れておくとかさばりません。
Q. 利用者さんの家に忘れ物をしないためには、どうすればいいですか?
かばんからワンアクションで取り出せる定位置を決めて、道具をテーブルの上に置かないようにします。置く場所は目の前か、自分のわきに置いたバッグの上です。ペン1本にも記名しておくと、万一のときに探してもらいやすくなります。
雨や雪など、天気が崩れる日の備えについては、こちらのまとめもどうぞ。


