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精神科訪問看護で役立つ本3選|現役の訪問看護師が現場で使っている本

イタドリ
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精神科の訪問看護は、ひとりで訪問して、ひとりで判断する場面の連続です。病棟のように、すぐ隣に相談できる先輩はいません。

私も繊細な性格ということもあって、「この対応でよかったのかな」と帰り道に考え込んでしまうことがよくありました。そんな私を支えてくれたのが、今回紹介する本です。

どれも実際に現場で使い込んでいる本です。精神科の訪問看護に関わる方はもちろん、施設や相談支援など「病院の外」で精神疾患をもつ方を支援する方にも役立つと思います。

『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』(通称:横綱本)

開かれた本のページ

在宅で精神疾患をもつ方を支援するなら、最初の1冊はこれだと思っています。サブタイトルは『”横綱級”困難ケースにしないための技と型』。ここから「横綱本」と呼ばれています。著者は精神科訪問看護の第一線で活躍されている小瀬古伸幸さんです。

この本のいいところは、管理と傾聴だけで終わらないところです。患者さんの希望を聴いて、その人の持つ力をどう引き出していくか、という関わり方を模索できます。

私が特に印象に残っているのは、やってしまいがちな「代理行為」についての話です。よかれと思って、つい手を出してしまう。でもそれは、本人の自立に向かう手立てになっているのか。読んでから、訪問のたびに自分に問いかけるようになりました。

感情転移や訪問拒否のときにどうするか、といった「教科書には載っていない困りごと」への対処も具体的に書かれています。私にとっては、困ったときに手に取るお守りのような1冊です。

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『援助者必携 はじめての精神科』(通称:ねこ本)

こちらを見つめる猫

表紙のねこがトレードマークで、「ねこ本」の愛称で親しまれている本です。著者は精神科医の春日武彦先生。症状と対応を並べた教科書ではなく、仕事に取り組む姿勢そのものを楽にしてくれる本です。

私は「待つのは度胸がいる」という言葉に救われました。よくない状態なのに、今すぐ手を出せない。そういうとき、支援者の側も不安になります。

「なにもしていないと思われるんじゃないか」という感覚が、自分はイヤだったんだ——この本を読んで、そう気づきました。腹を据えて事態を見守る。春日先生のその言葉で、いろいろなことが腑に落ちて、安心もしました。

「恨まれる、ということ」という章も心に残っています。利用者さんから個人的なことを尋ねられる場面は、実際にあります。それをどう考え、どう対処するか。春日先生ご自身の経験を通したヒントが書かれています。

じつは春日先生の講演会に行ったとき、油性ペンと本を持って、講演が終わってすぐ壇上の先生のところへサインをもらいに行きました。一番乗りでした。私のあとには、サインが欲しい人がどんどん並んで、列になっていました。この本は私の宝物です。(写真は当時の第2版です。現在は第3版が出ています)

援助者必携はじめての精神科の扉ページに書かれた春日武彦先生の直筆サインと日付

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『メンタルステータスイグザミネーション』Vol.1・Vol.2

ノートにペンで記録を書く手元

通称「MSE」。卒後に現場で使う「教科書」のような本です。著者は精神看護専門看護師の武藤教志さん。Vol.1とVol.2の2冊があります。

精神科で使う用語は、なんとなくの理解のまま、あいまいに使ってしまいがちです。Vol.1は用語の定義がとても詳しくて、「この状態を記録にどう書けばいいんだろう」と迷ったとき、私は辞書のように引いています。記録に自信がなかった時期に、ずいぶん助けられました。

Vol.2は、8割くらいが薬剤の話です。お薬の作用や副作用の視点からアセスメントを深めたい方向けなので、まずはVol.1から手に取るのがおすすめです。

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まとめ|本で土台をつくると、訪問が少し怖くなくなる

木々の間に続く小道

3冊に共通しているのは、「ひとりで判断する不安」を軽くしてくれるところです。

困ったときに開くなら横綱本。気持ちを楽にしたいならねこ本。記録・アセスメントの土台ならMSE。あなたの「いま欲しい支え」に合わせて、1冊選んでみてください。

急変対応やフィジカルアセスメントなど、からだの看護に役立つ本は、こちらの記事でまとめています。

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イタドリ
イタドリ
現役訪問看護師|HSP当事者
看護師になって30年以上経ちました。
僻地の有床診療所、地域の中規模病院、大学病院を経て、訪問看護は20年以上になりました。
某大学では学外講師を務めています。
やや敏感な気質を持ちながら、
それでも現場で積み上げてきた経験を活かして、訪問看護の実践知や役立つ情報を発信していきます。
窓の外を眺めるように、在宅ケアとHSPという生き方をひそかに綴るブログです。
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