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『フィジカルアセスメントガイドブック』レビュー|訪問看護師の感想

聴診器とフィジカルアセスメントの学習
イタドリ
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訪問看護の現場には、医師も検査機器もありません。頼れるのは、自分の目と手と耳。「このまま経過を観察するのか、すぐ受診につなげるべきか」を、看護師がその場で判断しなければならない場面が必ずあります。

そんな在宅での判断力を支えてくれるのが、今回紹介する山内豊明先生の『フィジカルアセスメントガイドブック 目と手と耳でここまでわかる 第2版』(医学書院)です。

結論から言うと、「症状から逆引きできるフィジカルアセスメントの辞書」として、訪問看護師なら手元に置いておきたい1冊です。

『フィジカルアセスメントガイドブック』はどんな本?

開かれた本のイメージ

著者の山内豊明先生は、医師と看護師の両方の資格を持つ、フィジカルアセスメント教育の第一人者です。「看護師に必要なアセスメントとは何か」という視点で書かれているので、医学書にありがちな「詳しすぎて現場で使えない」ということがありません。

本の構成は大きく2部に分かれています。Part1は「頭が痛い」「息苦しい」「フラフラする」など、14の症状・徴候から原因を絞り込んでいくパート。Part2は呼吸系・循環系・消化系など、身体機能別に診かたの基本技術をまとめたパートです。

第2版では、フィジカルアセスメントの進め方や、呼吸と循環を統合してとらえる章が新しく加わり、心不全の考え方も追加されました。在宅で出会うことの多い心不全の悪化を見極めるうえで、心強い改訂です。

特に役立った3つのポイント

メディカルチェックのイメージ

ポイント① 症状から逆引きできる。現場では「胸が痛い」「むくみがある」という訴えが先に来ます。教科書のような臓器別の並びではなく、利用者さんの訴えからそのまま引けるので、訪問先で頭の中を整理する順番と同じ流れで読めます。

ポイント② 道具がなくても、目と手と耳でできる。サブタイトルのとおり、特別な機器を使わずに視診・触診・聴診でどこまで判断できるかが軸になっています。検査がすぐにできない在宅の状況と、ぴったり重なります。

ポイント③ 「次に何をすべきか」までつながる。単なる手技の解説ではなく、得られた情報から緊急性をどう判断するかという思考の流れで書かれています。医師への報告や受診依頼の根拠づけに、そのまま使えます。

訪問看護の現場でどう役立つ?

訪問看護師のイメージ

訪問看護では、「いつもと違う気がする」という直感をどう言語化するかが勝負です。この本を読んでから、「なんとなく元気がない」利用者さんに対して、呼吸→循環→意識と順番に確認していく自分なりの型ができました。

医師への報告にも効きます。「SpO2が下がっています」だけでなく、呼吸音や浮腫の所見まで添えて報告できると医師の判断も早くなり、結果として利用者さんを守ることにつながります。

しっかりした作りの本なので、訪問バッグに入れて持ち歩くというより、ステーションや自宅に置いて訪問の前後に確認する使い方が向いています。

こんな人におすすめ

本とメガネのイメージ

特におすすめなのはこんな人です。①訪問看護を始めたばかりで、ひとりでの判断に不安がある看護師、②急変時の対応や報告に自信を持ちたい病棟看護師、③フィジカルアセスメントを基礎から学び直したい看護学生・新人看護師。

逆に、イラスト中心でサラッと読みたい人には、少し本格的に感じるかもしれません。その場合は、ねじ子シリーズなどで全体像をつかんでから読むと、理解がぐっと深まります。

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まとめ:在宅看護の「判断」を支えてくれる1冊

積まれた本のイメージ

『フィジカルアセスメントガイドブック』は、症状から逆引きできて、道具がなくても実践できて、緊急性の判断までつながる、在宅看護の心強い相棒です。迷ったときに開ける1冊があるだけで、訪問の安心感が変わります。

急変対応・フィジカルアセスメントに強くなれる本は、こちらの記事でまとめて紹介しています。あわせてどうぞ。

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イタドリ
イタドリ
現役訪問看護師|HSP当事者
看護師になって30年以上経ちました。
僻地の有床診療所、地域の中規模病院、大学病院を経て、訪問看護は20年以上になりました。
某大学では学外講師を務めています。
やや敏感な気質を持ちながら、
それでも現場で積み上げてきた経験を活かして、訪問看護の実践知や役立つ情報を発信していきます。
窓の外を眺めるように、在宅ケアとHSPという生き方をひそかに綴るブログです。
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