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夜勤明けで眠れない看護師へ|論文でわかる睡眠不足の対処法

イタドリ
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夜勤の睡眠不足は「気合い」では解決しない

起きた

夜勤明け、ベッドに入っても眠れない。やっと眠っても昼すぎに目が覚めてしまう。「もっと眠らなきゃ」と思うほど、頭がさえてしまう——。これは、あなたの心が弱いからでも、気合いが足りないからでもありません。

不規則な勤務で体内時計が乱れると、眠りが浅くなるのは体のしくみとして当然のことです。世界中の研究(複数の研究をまとめた「システマティックレビュー」)でも、夜勤の睡眠は工夫しだいで変えられるとわかっています。ここでは、とくに効果がはっきりしている対策を、二交代・16時間夜勤の看護師さんが使いやすい形にまとめます。

対策① 夜勤前に「仮眠を前借り」する

昼間に横になって休む人

いちばん研究が多いのが仮眠(ナップ)です。とくに夜勤に入る前の仮眠は、夜の後半の集中力を保つのにとても役立ちます。

・夜勤入り前:90〜150分(13〜16時ごろがおすすめ)
・夜勤中:20〜30分(深夜1〜3時ごろ)

「眠れなくても横になるだけ」より、少しでも実際に眠ったほうが、後半のミスが減ります。日本看護協会も、二交代制では60〜90分のまとまった仮眠を確保するようすすめています(看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(日本看護協会))。さらに、夜勤の2〜3日前から少し長め(8.5〜9時間)に眠っておく「睡眠の前借り」をしておくと、その後の睡眠不足に強くなるという研究もあります。

対策② 光を味方につける

ブラインドからベッドに差し込む光

夜勤の睡眠研究で、いま最も有望とされているのが「光」です。

・夜勤中は、明るい照明を浴びる → 体内時計が後ろにずれて、夜間の眠気がやわらぎます。
・夜勤明けの帰り道は、朝日を避ける → サングラスや帽子で光を減らすと、昼間でも眠りに入りやすくなります。

「夜は明るく、帰りは暗く」と覚えておくと使いやすいです。夜間に強い光を浴びて覚醒度を上げ、日中の睡眠は遮光をしっかり行うことは、公的機関でも対策として挙げられています(交代勤務睡眠障害(厚生労働省))。

対策③ 夜勤明けは「長さ」より「睡眠の質」

窓の白いブラインド

16時間夜勤の看護師さんを調べた研究では、睡眠時間の長さよりも、睡眠の質が高い人のほうが疲労の回復がよかったという結果が出ています。「とにかく長く寝る」より、「短くてもぐっすり」を目指すほうが理にかなっています。

質を上げるカギは環境です。
・部屋を真っ暗にする(遮光カーテン・アイマスク)
・静かにする(耳栓)
・室温は16〜22℃くらい

とくに昼間に寝る看護師さんは、寝室をどれだけ暗くできるかで眠りの深さが変わります。ふつうのカーテンでは昼の光がかなり入るので、遮光カーテン(1級がおすすめ)にすると体感がはっきり変わります。

この遮光カーテンは私自身も使っています。窓のサイズを測って注文しました。「幅にあと5cmほど余裕をもたせればよかったかな」と思うところはありますが、日光をしっかり遮ってくれて、昼間でも部屋が真っ暗になり快適です。

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真っ暗にして寝ると、今度は起きづらいのが難点です。そこで私はタイマー機能付きのライトを、起床予定の30分前から3段階(薄暗い→うっすら明るい→まぶしい)で点くように設定しています。大音量の目覚ましでたたき起こされるより、ずっと快適に起きられます。

以前は時間差で目覚まし時計を3つ、布団から出ないと止められない位置に置いていました。今は目覚まし1つと、念のためのアレクサだけ。それでも気持ちよく起きられています。

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環境とあわせて、寝具そのものを見直すのも効果があります。私が6年使い続けている敷布団の体験談はこちらにまとめました。

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対策④ 休日の運動と「寝だめしすぎない」習慣

日中に走る女性

2025年のレビューでは、有酸素運動や軽い筋トレが睡眠の改善に役立つとされています。ただし、夜勤明け直後の激しい運動ではなく、勤務のない日に軽く続けるのがポイントです。

休日も、週末だけ12時間眠る「寝だめ」より、毎日7〜9時間の睡眠を保つほうが回復しやすいと考えられています。

「夜勤前だけ眠れない」とき

夜のテーブルの上の目覚まし時計

「夜勤前に限って眠れない」という悩みは、看護師さんにとてもよくあります。これは「眠らなきゃ」という焦りそのものが眠りを妨げる、睡眠不安に近い状態です。

そんなときは、無理に寝ようとせず、暗い部屋で横になって体を休めるだけでもかまいません。前の「前借り睡眠」で数日前から睡眠を貯めておくと、当日眠れなくても心に余裕が持てます。

二交代・16時間夜勤の1日スケジュール例(19時開始を想定)

テーブルの上の目覚まし時計

論文をもとに、現場で使いやすい形に落とし込むとこうなります。

・夜勤入り前:前夜は23〜7時に睡眠 → 13〜16時に90〜150分の仮眠 → 18時ごろ出勤
・夜勤中:1〜3時に20〜30分の仮眠。起きた直後の15〜30分はボーッとする「睡眠慣性」が出るので、点滴やダブルチェック、車の運転はその後に。カフェインは勤務開始〜深夜1時ごろまでにして、朝4〜5時以降は控える
・夜勤明け:サングラスで帰宅 → 9〜15時に6時間ほど真っ暗な部屋で睡眠 → 17時以降は起きて過ごす
・連続夜勤のとき:毎日9〜16時ごろの睡眠を確保して、睡眠を削らない
・最終夜勤明け:9〜13時に4時間だけ寝て日中は起き、夜22〜23時に就寝(寝すぎると翌晩眠れなくなりやすい)
・休日:23〜7時または0〜8時。極端な寝だめはしない

まとめ:効果の大きい順に

白い掛け布団でぐっすり眠る人

論文ベースで優先順位をつけると、効果が大きいのは次の順です。

1. 夜勤前の90〜180分の仮眠
2. 夜勤中の20〜30分の仮眠
3. 夜勤明けの遮光・静音
4. 朝日のコントロール
5. 深夜1〜2時以降はカフェインを控える
6. 休日も7〜9時間睡眠を保つ
7. 定期的な運動

迷ったら、「夜勤前に2時間寝る」「夜勤中に20分寝る」「夜勤明けは真っ暗な部屋で6時間寝る」——この3つだけでも、手間のわりに効果が大きい対策です。睡眠の質を整える工夫は、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でもまとめられています。

なお、メラトニンや睡眠薬も選択肢ですが、効果には個人差が大きく、使うなら医師に相談しながらが安心です。睡眠不足は気合いの問題ではありません。環境と仮眠を味方につけて、少しでもラクに働けますように。

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いろいろ試しても夜勤の負担が大きいままなら、夜勤のない働き方を考えるのも選択肢です。

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イタドリ
イタドリ
現役訪問看護師|HSP当事者
看護師になって30年以上経ちました。
僻地の有床診療所、地域の中規模病院、大学病院を経て、訪問看護は20年以上になりました。
某大学では学外講師を務めています。
やや敏感な気質を持ちながら、
それでも現場で積み上げてきた経験を活かして、訪問看護の実践知や役立つ情報を発信していきます。
窓の外を眺めるように、在宅ケアとHSPという生き方をひそかに綴るブログです。
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